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石膏ボードの穴の補修方法|穴の大きさ別のやり方と仕上げのコツ

石膏ボードの穴の補修方法は、穴の大きさで大きく3つに分かれます。ピンやビスの小さな穴はパテで埋める、少し大きな穴はメッシュテープを貼ってパテで仕上げる、さらに大きな穴は傷んだ部分を切り取って新しいボードをはめ込む、という考え方です。この記事では、それぞれの手順と、仕上がりに差が出るポイントを整理します。

石膏ボードの穴は大きさで直し方が変わる

石膏ボードの穴は、穴の大きさと、裏側に支えがあるかどうかで直し方を選びます。パテは穴を埋める材料で、それ自体に大きな穴をふさぐ強さはないため、穴が大きくなるほど「下地をつくる」工程が必要になります。

石膏ボードとは、石膏を芯にして両面を紙で包んだ板状の材料のことで、住宅の壁や天井の下地に広く使われています。表面の紙が破れて中の石膏が崩れると、穴のまわりがもろくなるのが特徴です。

穴の状態(目安) 主な直し方 使う材料の例
画びょう・ピン・ビスの穴など小さな穴 パテで埋めて研磨する 室内壁用のパテ、パテベラ、サンドペーパー
パテだけでは埋まりきらない、手のひらより小さい程度の穴 メッシュテープを貼り、パテを塗り重ねる 補修用のメッシュテープ、パテ
ボードが割れている、穴のまわりまで崩れている 傷んだ部分を四角く切り取り、新しいボード片をはめ込む 同じ厚さの石膏ボード、当て木、ビス、ジョイントテープ、パテ

上の分け方はあくまで目安です。現場では、穴の大きさだけでなく、穴のまわりのボードがしっかりしているかを指で押して確かめてから方法を決めることが多くあります。

小さな穴をパテで埋める手順

ピンやビスの穴のような小さな穴は、室内壁用のパテを埋めて、乾いてから平らに整えれば目立ちにくくなります。手順は、メーカーのセメダインが室内下地用のパテの使い方として示している流れが参考になります。

  1. 汚れを落として乾かす:埋める場所のゴミ・水・油などの汚れを落とし、よく乾燥させます。
  2. パテをなでつける:パテベラで適量を取り、穴になでつけます。
  3. 空気を押し出すように埋める:ヘラで押さえ、中に空気が残らないようにします。
  4. 余分なパテをかき取る:埋めたらすぐに、ヘラで余分をかき取り、表面を平らにします。
  5. 乾いてから研磨する:同社の説明では、完全硬化の目安は24時間以上の乾燥です。乾いたら必要に応じてサンドペーパーで研磨します。

同社は、深い穴や凹みは一度に厚く塗ると割れや肉やせ(乾いてパテがへこむこと)の原因になるため、2〜3回に分けるよう注意しています。幅・深さが5mm以上の場所は凹みが目立つため、充てんを繰り返すよう案内しています。乾燥時間は製品や室温・湿度で変わるため、使う製品の表示に従ってください。

中くらいの穴はメッシュテープで下地をつくる

パテだけでは埋まりきらない穴は、穴の上にメッシュテープを貼って「パテの足場」をつくってから、パテを薄く塗り重ねて仕上げます。

  1. 穴のまわりを整える:めくれた紙やぐらつく石膏をカッターで取り除き、表面より出っ張っている部分をなくします。
  2. メッシュテープを貼る:穴より一回り大きく、穴をまたぐように貼ります。
  3. パテを薄く塗る:メッシュの目を埋めるように薄く塗り、乾かします。
  4. 上から塗り重ねる:乾いたら、前の回より少し広い範囲に薄く塗り重ねます。
  5. 研磨して平らにする:乾いたらサンドペーパーで、まわりの壁と段差がなくなるまで整えます。

メッシュテープを先に貼り、その上からパテを塗り重ねる流れは、石膏ボード工業会の施工マニュアルが新築時のボードの継目処理として図で示している、グラスメッシュテープを使う場合の工程と共通しています。同マニュアルの図では、塗る回を重ねるほど塗る幅が広くなっています。

大きな穴は切り取って新しいボードをはめ込む

ボードが割れていたり、穴のまわりまで崩れていたりする場合は、傷んだ部分を四角く切り取り、裏に当て木を入れて新しいボード片を留め付けます。

  1. 壁の裏を確認する:壁の中には電気の配線や配管が通っていることがあります。切る前に穴からのぞくなどして確かめ、刃を深く入れないようにします。配線や配管を傷つけたときは自分で直そうとせず、電気の配線は電気工事店などに、ガス管はガス会社に相談してください。電気の配線の工事には、電気工事士法で資格が必要な作業があります。建てられた年代が古い建物や賃貸住宅では、切る前に下の「仕上がりに差が出るポイントと注意点」にある石綿と賃貸の説明も確認してください。
  2. 四角く切り取る:傷んだ範囲より一回り大きく、四角に線を引いて切り取ります。
  3. 当て木を入れる:穴の裏側に木材を渡し、まわりのボードにビスで固定して、新しいボード片を留める下地にします。
  4. 同じ厚さのボード片を留める:切り取った穴に合わせてボード片を切り、当て木にビスで留めます。石膏ボード工業会の施工マニュアルでは、新築時の留め付けについて、ボードの周辺部は端部から10mm程度内側で留めることや、木製下地にねじで留める場合はボード厚より15mm以上長いねじを使い、頭が平らになるまで留め付けることを示しています。
  5. 継ぎ目を処理する:まわりとの継ぎ目は、メッシュテープなら先に貼ってからパテを塗り重ね、紙のジョイントテープならパテで下塗りしてから貼り、その上にパテを塗り重ねて研磨します。

継ぎ目のパテを厚く盛りすぎると、仕上げた後にその部分だけふくらんで見えます。現場では、一度で埋めようとせず、薄く塗って乾かす回数を重ねるほうが、結果的に平らに仕上がると考えます。

仕上がりに差が出るポイントと注意点

同じ手順でも、研磨の丁寧さと、上に何を仕上げるかで見え方が変わります。補修跡は、明かりが横から当たると段差が影になって目立ちます。

  • 横から光を当てて確認する:懐中電灯などを壁に沿わせて当てると、平らに見えていた部分の凹凸が分かります。
  • 仕上げ材を先に決める:上にクロスを貼るのか、塗装で仕上げるのかで、どこまで平らにすべきかが変わります。薄いクロスや艶のある塗装は、下地の凹凸が出やすくなります。
  • まわりの仕上げと合わせる:補修した部分だけクロスや塗装の色・質感が変わると、穴は消えても跡が残ります。

古い建物の壁や天井には、石綿(アスベスト)を含む建材が使われている場合があります。厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトの改修・リフォーム業者向けのページでは、改修・リフォームの工事を行う際は、規模の大小にかかわらず工事前に石綿含有の有無の事前調査を行う必要があるとしています(同サイトの説明を要約)。同サイトによると、建築物の事前調査は令和5年(2023年)10月から、建築物石綿含有建材調査者などの一定の要件を満たす者が行う必要があります。同ページは、規制の対象となる改修工事として、戸建て住宅やアパート・マンションの住戸のリフォームを含む建築物の修繕なども挙げています。仕事として壁の補修を請け負う場合は、工事の規模で判断せず、工事前に同ページで対象となる工事や事前調査の決まりを確認してください。

自宅や所有する物件を自分で補修する場合も、事前調査と無関係ではありません。環境省の石綿事前調査結果の報告についてのページは、建築物等の解体・改造・補修を伴う建設工事の元請業者のほか、自主施工者(請負によらず自ら施工する者)も、石綿含有建材の使用の有無を調査する必要があるとしています(同省の説明を要約)。調査のしかたは工事の内容で変わるため、2006年(平成18年)9月より前に着工した建物や、建材が分からないときは、ボードを切り取る前に専門の業者や自治体の環境担当の窓口に相談してください。

賃貸住宅の場合は、補修してよいかを契約書や貸主・管理会社に先に確認しておきます。

まとめ|穴の大きさに合った方法を選ぶ

石膏ボードの穴の補修は、小さな穴はパテ、中くらいの穴はメッシュテープとパテ、大きな穴は切り取って新しいボードをはめ込む、という使い分けが基本です。どの方法でも、パテは薄く塗って乾かしながら重ね、まわりと段差がなくなるまで研磨することが、補修跡を目立ちにくくする近道です。

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よくあるご質問

石膏ボードの小さな穴はパテだけで直せますか?
画びょうやピン、ビスの穴のような小さな穴は、室内壁用のパテで埋め、乾いてから研磨すれば目立ちにくくなります。深い穴は一度に厚く塗ると割れや肉やせの原因になるため、2〜3回に分けて埋めます。
パテはどのくらい乾かせばよいですか?
乾燥時間は製品や室温・湿度で変わるため、使う製品の表示に従ってください。メーカーのセメダインは、室内下地用パテの完全硬化の目安を24時間以上の乾燥としています。
大きな穴にパテを厚く盛って直してもよいですか?
パテ自体に大きな穴をふさぐ強さはないため、穴が大きい場合はメッシュテープを貼るか、傷んだ部分を切り取って当て木と新しいボード片で下地をつくってから、パテを薄く塗り重ねて仕上げます。
ボードを切り取る前に気を付けることはありますか?
壁の中には電気の配線や配管が通っていることがあるため、切る前に裏側を確かめ、刃を深く入れないようにします。古い建物では石綿(アスベスト)を含む建材が使われている場合があるため、作業前に専門の業者に相談してください。
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